2012年3月5日付 朝日新聞『声』欄に、私の投稿が掲載されました。

これは、2月25日 (朝刊) 『私の視点 子ども主体の通報制度を』という

大谷弁護士の記事に対して申し述べた所感です。

ここに、ご紹介します。

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虐待の本人通報、受け皿が必須

 「私の視点 子ども主体の通報制度を」を興味深く読んだ。
 ただ、深刻な虐待の状況にあって子ども自身が救済を求めることは、
非常にリスクが高い。

救いを求めて手を挙げたら、家には帰れなくなるのが現実だ。帰れば、
通報されたことを知った当事者からの「おしおき」が待っているからである。
それは場合によっては「死」を意味する。家に戻れなくなって、誰にも守って
もらえず、自殺した男子中学生もいた。

 私が知る限り、父親からの性的虐待を訴えた少女が、その後の騒ぎに恐れ
おののき、「あれはウソでした」と言って挙げた手を下ろしたら、少女を守ろ
うとしてきた児童精神科医が「虐待をでっちあげた」と見なされてしまった例
がある。

また、同じく性的虐待を受けた少女が養護教員に相談したが、別の男性教師
が事情聴取に及んだため何をされたか口をつぐんだ少女が虚言とされた例もある。

 ≪子どもが人権意識を持ち、自ら虐待を通報して救済を求める≫行為が安全に守られるためには、保護を万全に保証する「受け皿」がなければならない。現状では一時保護所も児童養護施設も足りない。里親に活躍の場を与え、受け皿を育成することが急務である。

             セラピスト  高橋 佳代子 (千葉県船橋市)

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この文面では性的虐待について触れていますが、
性的虐待は、痣もないし
骨折もしないので人の目から隠れやすいのです。

  性的虐待は、女児が対象と思われがちですが、
思春期の男子こそ「誰にも言えずに」苦しみ、闇に隠されます。

 虐待の傷は深く、人生に影響を与えます。

 女児が「何をされたか」を男性が聞き質さないでください
答えられるはずがありません。

ウソだから」答えられない のではないのです。 

  

 例えば、父親から性的虐待を受けている娘が、藁をもすがる想いで
母親に相談し助けを求めても、そこで母親が「夫をとられた女」となって
娘を守ってあげられないことがあります。

娘は二次被害を受けることになります。

 「お父さんとそんなことをしていたの?」

 「汚らわしい。」

そんなことを言わないでやってください。

暴力を受けた子なのです。

(「お友達もお父さんにこうされているんだ」と思って育つこともある)

 

信頼して相談したのに、母親に叱られたら、立つ瀬がありません。
 助けてもらえなかった「痛み」は、性的虐待に勝るとも劣らず、後に残ります。

 そこで「女」になってしまう母親は、母親自身がケアを必要としています。

 

 更には、加害者にされてしまう父親も、深いところに痛みを抱え、
ケアを必要としているように思われます。
それを、本人が自覚しなければ、ケアにはつながりません。

社会的立場から離れて、「弱さをもつ人間」の一人として、

どうぞ、助けを求めてください。

善悪の社会的価値観を離れ、
糾弾の視点を離れた安全な「場」で、

私には、何を話してもよいのです

「そうしてしまう自分」を受け止めるチャンスが必要ではありませんか。

 

あなたが過去に何を体験していても、それは

あなたの「流れ」の中で起こったこと、

その流れを変えたいと思えば、変えることができます。

 

虐待の連鎖も、止められます。

「このままではいけない」

「もう、やめなければ」

その想いがあるなら、お手伝いさせて頂きます。

 

http://www.therapy-yume.jp/ 「セラピー夢」

 

自分らしく生きる方へと向き直してみましょう。

私はいつも、ここにおります。