家族が目の前で倒れて、救急車を呼んで搬送されたが病院でお亡くなりになった時、

取り乱す大人たちの下で、2歳の子が「家族の死」を一緒に体験していることがあります。

大人は、配偶者または親が急逝して悲嘆に暮れながら、

まさか幼い子どもが同じように悲嘆を抱えているとは思いもしません。

数年後、家族が「あの日のこと」を思い出して悲しんでいる場で、

2歳だった自分の気持ちを話したら、
「あなたは小さかったから、わからないでしょう。」
と言われて、誰も取りあってくれない・・・。

まるで録画されていたかのように、死にゆく家族の身体を、母の背に負ぶわれて手を伸べてさすった感触まではっきり覚えているのに、
【2歳の子が覚えているわけがない】で済まされて、誰も信じてくれない・・・。

置き去りにされた悲しみが、後々『症状』という形でケアを求めてきたことがあります。

不慮の事故の現場または死を前にして、

幼児が大人と同じように【深刻に喪失を体験している】事実を私たちは知らなければなりません。

幼くてケアを求める術を知らないまま、

悲しみが増幅し深刻化することがあると、私はここに記します。

たくさんの方に知っていただきたいです。

「私の体験が誰かの役になってくれれば・・・」との本人の尊いご意思により、

貴重な体験をお分けしました。