「NHK プロフェッショナル 仕事の流儀」で観た

鳥井一平さん(66)を、「奇跡の人」を見つけた❣と思いました。

鳥井さんは現在、外国人労働者を支援するNPOの代表です。

長年の実績が評価され、アメリカ政府から日本人として初めて「ヒーロー賞」を贈られました。

外国人技能実習制度がたくさんの悲惨な現実を生み出して、

世界から「人身売買」と揶揄されていることを国会で発言なさいました。

私たちが目を背けてきた「不都合な現実」に直にアタックして、

一人ひとりの外国人を支える鳥井さんは、

不都合な現実を前に 自分が問われている】と言います。

自分を痛めつけた相手さえ、謙虚に【理解しようとする姿】に学ばせて頂きました。

これぞ本物の人間だと魅せられました。

 

パスポートも貯金通帳も取り上げられ、賃金不払いで苦しむ外国人を雇う

社長に会いに行って、鳥井さんはガソリンをかけられ火をつけられました。

火だるまになりましたが一命をとりとめました。長い入院治療はどんなに痛かったでしょう。

それでも、鳥井さんは自分に『火をつけた社長』の気持ちを推し量ります。

これは、なかなかできることではありません。

 <裁判所が差し押さえにでも来たかのように、権力に追い詰められた気がして

   怖かったのだろう。 切羽詰まって、やってしまったのだろう

 正義を振りかざして 相手を怖がらせても解決しない。

 だから自分は、人は変われることを信じて交渉しようと学び取るのです。

 

人は人を容易には理解できないものです。

自分の正しさを理解してもらうのが当たり前ではありません。

だからこそ、誰かに理解してもらえることは貴重な喜びです。

 

鳥井さんがここに至るまでの【生き方】に目を見張るものがありました。

25歳の時、ある社員の労災を会社が認定せず、事故の責任を放棄したことから、

その社員を守るため労働組合を作ろうとしたら、(当然、会社は抵抗策を講じる)

会社が鳥井さんを無視するよう社員に圧力をかけました。毎日、無視され続けました。

毎朝の出勤時に、身体が震えるようになりましたが、それでも彼は一年も自分を貫いた・・・

どのように?

事故が起きないように具体的に予防策を講じ、工場にラインを引き、整理整頓に努め、

社員も会社も困らないで働けるよう職場環境を改善した結果、事業収益が上がりました。

自分の主張が会社のためになる』ことを実績で知ってもらった結果、

会社が彼を無視できなくなったのです。

 

完全無視される環境に置かれても 会社と戦うのではなく

正義を貫けば会社全体に利益があることを実現して見せたのです。

自分が問われている】という在りようは、既に20代の頃から培われていたのですね。

ここまで貫ける意志の強さを、私は「奇跡の人」だと感服しました。

人が変わり、組織が変わるために必要なのは、怒り・闘うことではなく、

『相手を理解すること』『全体に資すること』なのですね。

 

再放送の予定がないそうですが、NHKオンデマンドでは、10月1日まで視聴できるそうです。

NHK プロフェッショナル仕事の流儀

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/284/1669550/index.html

(☎0570-066-066)試聴の仕方、単品の視聴についても相談できる)

 

私が見つけた「奇跡の人」最初の一人は、既に下記ブログに書いてあります。

神様なんか信じない…【奇跡の人】ここにあり