買ったばかりのパソコンが壊れ、キーボードが働かない

文字が打てない。

メールもできない、ワードもできない、仕事用のパソコンなのに・・・

苛立った



メーカーは機械のせいにしたがらず、私の操作のせいにしたがる。

メーカーの技術者相手に、さらに苛立った。



パソコンは次第に、暴走し始めた。

シャットダウンができない。休止もシャットダウンも全て「再起動」になる。

強制終了しかない・・・それもできなくなったのだ。

強制終了かけても「再起動」するパソコンてある

結局、故障と判明し、メーカーからすぐに交換用の新品が届いた。

それでも私はまだ愚痴ぐちグチっていた。

「もう一度初期設定 どれだけ時間が無駄になったか!
 こんなパソコン買わなきゃよかった。もっと安いのだって良かったのに。」



娘が言った。

「病気なんだよ。

パソコンの前でそんなこと言うから、ますます具合悪くなるんだよ



病気だったんだ・・・、パソコンが苦しかったんだね。

病気のパソコン相手に、苛立っていたんだ・・・いたわることを忘れて。



娘なら、私のように苛立ったり怒ったりしなかっただろう。

壊れたパソコンに、優しく思いをかけただろう。



怒らなくてもよかったんだ、苛立たなくても、

他の感情の道があったんだ



子育ての反省と重なる。無駄に怒った若い日々・・・

あぁ、私はまだ苛立ちをまき散らしていたんだ・・・

娘の方が、魂の先輩かもしれない。

病気のパソコンは、中身をきれいに消去して、
アメリカ国防総省が威信をかけて復元しなければ無理な方法で
しっかり消去して、メーカーに返します。

「怒って、ごめんね。
 短い間だったけれど、一緒に働いてくれてありがとう。
 私に気づかせてくれて、ありがとう。」