進行したALSの状態から回復した患者さんがいることを、バンクーバー在住の医師、ガボール・マテ著『身体が「ノー」と言うとき(抑圧された感情の代価)』を読んで知りました。


ALS=筋萎縮性側索硬化症/原因不明の難病)
にかかると、筋力が急速に低下し、歩くことや手足を動かすこと、話すことも呑み込むことも、呼吸することもできなくなり、わずかの例外を除いては死に至ります。
その間、意識は正常のままです。

ALSを克服したとして紹介されている看護師の資格を持つ研究者ドナは、
病気が進行して呼吸が困難になっていく中で死が近いことを悟り、


せめて死ぬまでに、自分を無条件に愛したい」と考え、

毎日身体のあらゆる部分を愛することを続けました。


毎日、意識的に自分を見つめ、自分を愛することで、

身体のそれぞれの部分が少しずつ「解凍」されていき、
ついに治癒したそうです
(p88)

 

これを読んで私は、
「ソマティック・ヒーリング」の創始者デヴィット・クイグリーに
教わったことを思い出しました。

デヴィットは、患者さんの片脚が壊死しかかって、
医師に「切断するしかない」と告げられていた脚に
6時間も語りかけ、
撫でて刺激を与えることによって、ついにその脚を蘇らせ

切断を免れたことがありました。

その語りかけも、「愛と感謝」の言葉でした。

 

患者さんに有効なら、健康な自分にも良いに違いないと思い、

私もドナがやったように実行してみました。

ベッドの中で目を閉じ、両脚に意識を向け、

 

私の脚、今まで歩いてくれてありがとう。

走ってくれてありがとう。


生まれてから、育ってくれてありがとう。

立てるようになって、私を支えてくれてありがとう。


いつも共にいてくれてありがとう。

小学校の遠足、頑張って山に登れたね。

頑張ってくれて、ありがとう。

運動会も、マラソンも、苦しかったけれど頑張ったね。

いつも一緒だったね。ありがとう。

 

今まで、あなたと共にいることが当たり前過ぎて、

愛することを(おろそ)さい。


ありがとう。色んなところへ連れて行ってくれて。


歩けなかったら、どんなに不自由だったか・・・。

あなたが歩いてくれたから、私は今までたくさんの体験ができた。

ありがとう、頑張って動いてくれて。

 

赤ちゃんの頃、立ちあがるのは大変だったね。

いくつもの筋肉を使って、やっと立てたんだよね。

不思議だったね、立てるようになるって。

歩けるようになったのも、不思議な力だね。


ありがとう、私といつも共にいてくれて。

 

・・・こうして繰り返し脚に語りかけているうちに、私は長い間、

本当に長い間大事な脚が自分と共にいて支えてくれていたことに

意識を向けてこなかったと気づきました。

 

「ありがとう」を何回言っても足りないくらい恩を感じました

そのうち、両脚がまるで水のりのように光に溶けて感覚がなくなり、

光だけを感じました。

 

「ありがとう」と伝え続けることは「祈り」で、

こうしながら内なる深いところと繋がっていたのです。</ span>

 

次に私は、両手に感謝したくなりました。

そして、こうして全身のあらゆる部分に感謝しながら、

光エネルギーと同化した感覚を味わっているうちに、

元気な身体になっていくのは必然のように感じられました。


ドナに起きたような奇跡的な回復だって「あり得るかもしれない」 と感じられました。